意見書-中部電力・浜岡原発について、新規制基準適合申請を速やかに却下し、廃炉を求める―

2026/01/08

本日、脱原発弁護団全国連絡会は浜岡原発運転差止弁護団(東京高裁係属事件)と連名で表記の意見書を原子力規制委員会に提出いたしました。

中部電力・浜岡原発について、新規制基準適合申請を速やかに却下し、廃炉を求める意見書[PDF]


中部電力・浜岡原発について、新規制基準適合申請を速やかに却下し、廃炉を求める意見書

2026年(令和8年)1月8日

原子力規制委員会 御中

脱原発弁護団全国連絡会
浜岡原発運転差止弁護団(東京高裁)
 共同代表 弁護士 河合弘之
       同  海渡雄一

申入れの趣旨

原子力規制委員会は、中部電力・浜岡原発について、地震動データが意図的に捏造されていたことを踏まえて、同原発の新規制基準適合申請を速やかに却下し、廃炉とすることを求める。

申入れの理由

1 中部電力・浜岡原発について、基準地震動の策定に用いられた地震動データが、意図的に捏造されていたことが、明らかになった。

2 捏造の内容は、基準地震動を策定する前提となる「統計的グリーン関数法」について、計算した数千組(数千波)の地震動データのうち、実際には、平均以下の地震波であったにもかかわらず、これを恣意的に「平均に最も近い波」として「代表波」として選定し、なおかつ、この「代表波」があたかも平均的な地震波に見えるように、他の19組(19波)を選定してグラフに描いてデータを捏造し、虚偽の説明をしていたというものである。
これは、原子力規制委員会(本年1月7日)でも指摘されたように、研究の分野でいえば、データの捏造による研究不正そのものである。
 そして、この「統計的グリーン関数法」は、中部電力・浜岡原発において策定されている49波の基準地震動のうち45波において用いられており、同原発の基準地震動はまったく信頼できない過小なものであることが明らかになった [1]

3 基準地震動は、原発の耐震安全性の根幹をなす、極めて重要なものである。
とりわけ、浜岡原発は、南海トラフ巨大地震の震源域直上に位置している原発であり、巨大地震・津波リスクが最も高い施設である。このことは、2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故後、そのリスクの高さゆえに、政府が運転停止を求め、中部電力は、それに従って、同年5月に運転を停止したことに端的に示されている。
 その浜岡原発において、基準地震動の策定のために用いられていた地震動データが、申請者である中部電力によって意図的に捏造されていたことは、浜岡原発の安全性と中部電力に対する信頼を根底から損なうものであり、中部電力は、「発電用原子炉を設置するために必要な技術的能力」を欠く(炉規法43条の3の6第1項2号)というほかない。

4 さらに、より深刻なのは、原子力規制委員会が、この不正を見抜けず、同原発の基準地震動(震源を特定して策定する地震動)について、2022年4月15日には、「おおむね妥当」との判断をしていたことであり、今回の内部通報によるまで、不正が明らかにならなかったことである。
 原子力規制委員会の委員の一人は、「中部電力は真摯に取り組んでいると信じていたが、非常に大きな失望を感じた」などと発言したが、そもそも申請する電力会社を安易に「信じ」ること自体が規制行政として不適切であり、電力会社は不正を行わないかのような楽観主義(≒安全神話)に陥っていたとの誹りを免れない。中部電力が捏造したデータを基に申請を行い、原子力規制委員会がこの不正を見抜くことができず、基準地震動について妥当との判断を行っていたこと、外部からの公益通報がなければ不正に気付くことができなかったことは、原子力規制委員会が元データまで提出させたうえでチェックするだけの審査能力がないことを示すものであり、審査プロセス自体の信用性が完全に失われたことを示している。したがって、これまで新規制基準適合審査が行われてきた他の原発の安全性についてもすべて審査をやり直すべきである。

5 原子力規制委員会は、現在、中部電力・浜岡原発の適合性審査を中断しており、今後の対応について、1月14日の規制委員会で審議するとしている。
 しかしながら、かかる極めて悪質なデータの捏造が明らかになった以上、中部電力は原発事業者として求められる最低限の資質に欠けており、炉規法の許可要件にも不適合である。浜岡原発の適合性審査をこれ以上継続することは全く無意味である。
 よって、原子力規制委員会は、中部電力に対して、浜岡原発の適合性申請について速やかに取り下げさせ、仮に、中部電力が取り下げないのであれば、適合性申請について直ちに却下し、廃炉とすることを求めるべきである。

以上

[1] 第50回原子力規制委員会(本年1月7日) https://www.da.nra.go.jp/detail/NRA100015154

※年号の誤記を修正しました。

※※内部通報→外部からの公益通報に訂正。

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