2月28日 川内行訴、第7回口頭弁論期日報告

2018年3月5日

火山のみを争点とする行政訴訟

2016年6月10日に提訴した、川内原発行訴(適合性審査処分取消訴訟)の第7回口頭弁論期日が開かれました。
一昨年の4月6日、福岡高等裁判所宮崎支部は、川内原子力発電所の差止めを求める仮処分命令申立事件に関し、抗告棄却の決定(差止めを認めない決定)を出しました。もっとも、決定の理由中では、住民側の主張する火山ガイドの不合理性、過去に火砕流が到達した原発は原則として立地不適であること、非常用ディーゼル発電機のフィルターの目詰まりに関して火山灰の大気中濃度の想定が10倍以上の過小評価の疑いがあること等、正当な認定がなされました。このような認定を主な取消事由として、川内原発の設置変更許可に対する異議申立人の方々が原告として、福岡地方裁判所に提起したのがこの裁判です。新規制基準による適合性審査処分に対する、初めての取消訴訟であり、火山事象のみを争点とする裁判です。

裁判所前で門前集会。

小雨が降るなか、13時から裁判所前での恒例の門前集会が開かれました。火山事象について火山ガイドは不合理なことは明らかであり、すぐ取り消すべき、裁判所は勇気を持って判断してほしいという声が上がりました。また、前回に引き続き、本日で結審し、判断してほしいという強い希望が述べられました。

初めて終結までの見通しが示された

13時半に開廷し、冒頭に提出書面の確認が行われました。原告側からは12月13日の伊方原発の広島高裁決定を踏まえた準備著面及び、前回被告国より提出された大倉報告書への反論、を提出。また、上記広島高裁決定でも引用されている科学者のひとり須藤靖明先生より、新たな陳述書も提出されました。
法廷では中野宏典弁護士より提出した準備書面の補足の口頭説明を行いました。広島高裁決定によって、これまで火山事象について争われた5つの裁判の中で、4つの裁判で火山ガイドが不合理とされていること、噴火について、その時期及び規模が、相当以前の段階(原発を停止し、燃料を冷却して施設から運び出せるほど余裕のある時点ということで、5年から十数年)、で、的確に予測することができない、という共通認識に立っていること(大多数の火山学者の共通の大前提)、ごく最近の例を見ても、御岳山や白根山の噴火、予測できたでしょうかと、問いかけた。そして、裁判所は、噴火の時期や規模を正確に予測することはできないという大前提に、二度と福島第一原発事故のような悲惨な事故を起こさないという趣旨で改正された原子力基本法、原規委設置法、炉規法、環境基本法などの規定に基づいて、判断するようにと迫りました。
続いて、大河陽子弁護士より進行に関する意見を口頭で述べました。3・11以前の行政追従の司法判断が誤っていたこと、福島第一原発事故が発生してから7年近くもの長い時間が経過した現在において、避難解除により汚染地への望まない帰還を強いられたり、将来への健康不安など、その被害は深刻さを増していることを踏まえ、司法は、原発事故によって悲惨な目に遭う人々をこれ以上生み出さないために、今度こそ、その役割を果たさなければならないことを強くうったえました。
その後、今後の進行について、被告が今後4、5名の研究報告書を出す予定としたのに対して、裁判所はどのくらいの期間、期日の回数を予定しているのかと尋ねましたが、被告代理人は、確たることは申し上げられない、2、3期日を希望するにとどまりました。これに対して、裁判所は見通しのないまま進めるのは困難である、具体的見通しを立てた上で、結審したいと、はじめて今後の具体的な見通しを明らかにしました。原告代理人青木秀樹弁護士より、国からかなりの数の新たな主張を出す用意があるようだが、それは既に準備中なのか、また、証人尋問により問いただす機会を持てるのか、目的が疑問であること、既に4つの決定理由で火山の噴火の予知は出来ないことを原告は主張の中心においているが、被告の主張はこれらへの反論に踏まえたものになるのか、かみ合わないものを出されても困る旨述べました。
その後、裁判所、原告、被告の間で今後の進行について、一定の時期までに主張を出し切ること、具体的に次回の期日までに提出された書面をみて、双方反論の提出、証人尋問の是非なども判断することになりました。
次回の期日は5月30日13時半と指定して、閉廷しました。

報告集会で説明する中野宏典弁護士(左),大河陽子弁護士。

裁判所近くで、原告団による報告集会が開かれました。進行協議期日(非公開)を終えて、弁護団より、次々回期日が9月5日13時半の予定が入ったとの報告がありました。原告からも積極的な質問が続きました。法廷で、原告の主張の撤回という点がよく分からなかったとの問いには、昨年末、裁判所に結審して判断していただきたいと、大気中濃度についての主張を撤回したのだということ、進行協議期日で、この点を整理して提出する事になった旨説明がありました。 今までの裁判の経緯などは「さよなら原発!福岡&ひろば」内」に掲載されています。

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