発売中の週刊金曜日 12月の原発裁判(前半)

2017年11月28日

発売中の週刊金曜日に12月前半の原発差止裁判等の口頭弁論期日が掲載されました。

金曜日の公式サイトにも掲載されています。

「みんなで傍聴 12月の原発裁判」

※12月19日以降の期日に関しては、12月8日号掲載予定です。

●みんなで傍聴原発裁判一覧


11月20日は大飯原発運転差止訴訟控訴審(名古屋高裁金沢支部)の第13回の口頭弁論期日でした。あの2014年5月21日に福井地裁での輝かしい認容判決(樋口英明裁判長)の控訴審です。今年4月24日の口頭弁論期日では、元規制委員会委員長代理の島崎邦彦氏が証人尋問に立ち、大飯原発は適合性審査を許可させてはいけなかったのだと断言されました。その後の7月の期日において、1審原告(住民側)は、新たな証人申請を行いましたが、内藤正之裁判長はすべて却下し、住民らは3人の裁判官を忌避。

この間、裁判所からは当事者に対し、この13回目の口頭弁論期日で結審したい、とのメモが届いていました。しかし、上記島崎邦彦氏の証言に対する1審被告(関電)の反論は、反論になっていません。関電は地震本部のレシピと異なる方法で基準地震動を策定しています。火山ガイドについても、火山灰濃度については100倍者過小評価であることが明らかになり、現在改訂中です。住民側は、期日後に明らかになった新たな事実を踏まえて証人申請を行う予定であり、この日で結審することなく、キチンとした判断をしてほしいと意見を述べました。

期日後の報告集会を兼ねた記者会見。笠原弁護士、水戸喜世子さん、中嶌哲演さん、島田弁護士(左から)。

この日、雨の中、219名の傍聴希望者が裁判所前に並びました。期日で住民側は、原告の水戸喜世子さんが、故・水戸巌さんの『原発は滅びゆく恐竜である』における、本件原発の危険性の指摘をした準備書面に基づいて意見陳述を行いました。代理人は、証人尋問の必要性等について、意見を述べました。10分程度の合議の後、証人尋問の必要は無いと証人申請をすべて却下しました。すかさず、海渡雄一弁護士が3人の裁判官について、忌避の申し立てをしました。忌避理由の中で、2003年のもんじゅの無効判決はこの名古屋高裁金沢支部で勝ち取ったこと、判決は最高裁で覆ったが、2016年12月にもんじゅ廃炉が決まり、歴史が正しさを証明したと述べました。そして、証人調べをせずに、歴史に耐えうる判決ができるのかと迫りました。しかし、内藤裁判長は忌避を却下し、結審、期日は追って指定するとし、傍聴人らの「逃げるのか」「裁判長!」の喉号のなか、法廷を去りました。

原子力運転の差止めを求める裁判においては、裁判所の理解を深めるためにも、公開の法廷以外に、進行協議期日(非公開)や書面での求釈明などがなされることが多いのですが、残念ながら、内藤裁判長はこの2年間、ただ一度も行うことはありませんでした。

提出書面、報告集会の様子など、福井から原発を止める裁判の会のサイトをご覧ください。

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